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ギフテッド(1巻)の解説① ※ネタバレあります

今週ギフテッドの2巻が発売し、もしかしたらあとがきからこのブログ来てくれている人がいるかもしれないので、
せっかくだからあとがきで書ききれなかったギフテッド執筆の裏話や解説を書いてみたいと思います。
もちろん編集者さんが見ても問題のない範囲で行う予定ですし、
その他影響がないだろうと思う範囲で書くので、足りない部分についてはご容赦を。
2巻まで読まれた方を前提として書くので、ネタバレが嫌な方はお戻りください。

またこれを読むことが蛇足と感じる人もいるでしょうし、表現一つを取られて叩かれるのも辛いので、
嫌悪を持たれる方は見ないでいただけると助かります。

それでは1巻の解説を。
思い出したごとに書いていたりするので、読みにくい点はどうかご勘弁を。
楽しんでいただければ幸いです。
改行を入れるので、読まれる方は下のほうに行ってください。
































■前提
以下の内容は、いかなる作品、主義主張、個人あるいは企業を貶める意図も持っていません。
また私は一つの考えが正しいと思わず、物事は多面的だと考えているタイプですので、
解説はあくまで考えの一部であることをあらかじめここに記載しておきます。


私自身、この物語のテーマの一つとして、
「もし世界が一つとなったとき、そのトップとしてどんな人間が相応しいのか」
というものを考えています。
英雄待望論は昔からありますが、
「じゃあ現実的にその英雄とはどんな人なのか? どんな人なら英雄足りえるのか?」
を掘り下げていってもらったものと考えていただいても結構です。
例えば全世界選挙みたいなものを行っても、その候補者と全世界の人間が話すことは不可能なので、
何かしら指針が必要となります。

おそらく指針として「経歴」や「演説」「政策」が挙がったりすると思いますが、
それらを知っても適切な判断ができるかは難しいのではないかと考えています。
その辺りは2巻で触れているので、読んだ方はわかるかなと思います。

となると、トップ候補者に特殊な試験を課す方が適する人材を継続的に導き出せるのではないか、
という案が、考えの一つとして浮かびました。
その案を掘り進めていったものが2巻の最後で昴が語りました「賢人政治」であり、天子峰のシステムです。
そしてこれが「ギフテッド」の出発点でもあります。

では世界にトップに立つ人間には何が必要か、それをどうやって見分けるかが問題となります。
この辺りは1巻で描いていることですが、
私が1番最初に世界のトップに持っていて欲しいと思った点は「命を賭ける気概」です。
そして2番目に挙げたのは「現状を把握し、課題を見据えつつ、明確な目標を見つける能力」であり、
「見つけた目標を実現する力」です。

これは他の人が考えてみれば、全然違う結論が出てくるでしょうね。
皆さんが考えてみて、「こういう要素の方が必要ではないか」と思えば、
聞いてみたいなという思いがあります。

メールで私にぶつけてみてくれてもいいですし、気軽に雑談や質問を送ってもらって構わないです。
ただ叩かれると私の心が死ぬので、それはできればご容赦を。


話を戻します。
この2番目に関しては、おそらく会社員経験者ならわかりやすいと思いますが、
当たり前のように見えて非常に難しいです。
歴史を紐解いて見ても、偉大な指導者と言われる人ですら、できないことが多いように思えます。
この辺り、すでにライトノベルではわかりにくいテーマであるため、
これじゃあキャッチーさが出ないようなぁ、と思っていたりします。

さて実際の試験内容ですが、現実に実現できそうなものであれば、
なかなかインパクトを出すのは難しいですし、ライトノベルである必然性も低くなります。
そのため「ギフテッド」で強く意識しているのは、

『人間に可能だけれども、現実では不可能であること』です。

私はギフテッドを「机上の空論を積み重ねたお話」であると認識しています。
1巻で「アインシュタインクラスの人間が集まり、きちんと評価されていれば、
二世代くらいの技術の進歩は可能だ」といったような内容を書きましたが、
これぞまさに「机上の空論」の集大成ではないかと思います。
それが実現している架空世界が「ギフテッド」です。

そうした土壌の上に、試験内容を設定しました。

「命を賭ける気概」はわかりやすいことなので試験でも簡潔に終わりますが、
「明確な目標を見つける能力」についてはそれなりの舞台が必要ではないかと感じました。
それが1巻に描かれていたことです。
ギミックを減らし目にしたのは、もちろんページの都合上もありますが、
何より「明確な目標を見つける能力」を選別するのに、必要か不必要かで考えたとき、
不必要ではないかと考えたため、やめておいたということが影響しています。

ここまで書いてきたテーマに関しては、無論2巻にも影響があるですが、
その点はまた別途2巻についての解説で書こうかなと思います。




1巻を読まれた方にはすでにおわかりだと思いますが、
厳密に言えば「ギフテッド」は「クローズトサークル」や「サバイバルゲーム」
「ギャンブル」「頭脳ゲーム」とは違います。

「クローズトサークル」と言うには天子峰市の一般市民がいますし、
合格者に制限がない以上、「サバイバルゲーム」「ギャンブル」「頭脳ゲーム」でもありません。
天子峰市での環境は「まだ見ぬ外国の地に、いきなり連れてこられた」という状況が
表現として一番近いのではないのだろうかと思っています。
そのため「ギフテッド」の物語のメインは「サクセスストーリー」であり、
頭脳戦や心理戦はサクセスストーリーを彩る装飾と捉えています。

私はサクセスストーリーと言うと、ドラマ「お金がない」が浮かぶのですが、
ああいう系のドラマや映画でも頭脳戦あり、心理戦ありなイメージがあります。
そのためそういう感じのストーリーとして受け入れられるのかなぁと思っていたら、
頭脳戦や心理戦で評価いただいたことが多かったようなので、
そんな風に捉えられるんだなぁ、と思ったりしてました。

ただ頭脳戦や心理戦を見て、「頭脳ゲーム」的なイメージで読む方がいることも予想がついていましたので、
(まあ、頭脳ゲームも一面では正解と考えており、この辺りの認識は私自身もはっきりとしていないのですが)
なるべく違和感を覚えないよう、1巻のあとがきには私が一番近いと捉えている「サクセスストーリー」
という単語を入れてみました。
この辺り、皆さんにはどのように伝わりましたでしょうか?




1巻では誰も「天子峰市の一般市民と積極的に交流を図ろうする人」がいませんでしたが、
交流を図ろうとする人がいてもよかったなぁ、と思っています。
ただこういった観点で行動するキャラクターが現在私のイメージではおらず、そうなると、
ページ数とキャラクターの人数上、入れられないと判断しました。

私は常に相手方の立場に立って考えてみることが大事だと思っていますが、
皆さんが「天子峰市に住む一般市民」だった場合、候補生に対してどう接するでしょうか?

人権がないのだから好きに襲ってもいいと考えるでしょうか?
それとも何となく怖いから近寄りたくないと考えるでしょうか?
候補生なんだから、ちょっと話をしてみたいと考えるでしょうか?

正解はありませんが、いろんな人がいたと思います。
中には仲良くなったり、援助をしてくれる人間がいたでしょう。
そうなれば環境は随分良いものになったはずです。

こうした交流を最初に考えそうなのが一宮忠志ですが、彼からこの提案が出て来ませんでした。
発想がなかったのではなく、教官に恐怖を染みこまされ、人権がないと脅されていたからです。
この辺りに触れませんでしたが、彼の臆病さと未熟さが出ている部分なので、
ここに書いておこうなと思いました。
当然綾芽も外との交流の可能性に気がついていますが、
時間がかかる案であり、危険性も当然あるため、案を廃棄しています。
それでも彼女なら、交流が有効となるタイミングがあった場合、きっと持ち出してきただろうと思います。




「クローズトサークル」では、そこでの不協和音や裏切り者が出るのが当然ですが、
あえて出していないのはやはり「クローズトサークル」とは違うものだからです。
もし「クローズトサークル」なら、主人公を替えていたかなーって思います。
「ギャンブル」や「頭脳ゲーム」「サバイバルゲーム」だとしても、
弥助は非常に主人公に不向きなキャラだと捉えています。
なぜなら驚きが少なく、分析屋であるため、読者の裏をかくといった点がとてもしにくいキャラだからです。
もし「ギャンブル」や「頭脳ゲーム」「サバイバルゲーム」をテーマとしていれば、
「閃きに優れたキャラクター」か「共感を得られるキャラ」を主人公に据えたと思います。

また弥助はギリギリの一発逆転もやりにくいキャラではあります。
人の隙を突くのではなく、地味に分析を積み重ね、思考を進めていくタイプだからです。

ゲーム的なものであればゲーム作成者の意図があり、そこに隙があったりしますが、
「学校の試験」に裏道がなかなかないように、「企業での仕事」にも一発逆転は少ないです(ないとは思いませんが)。

私は福本作品を当然読んでおり、当然のごとくアカギなども大好きですが、
アカギが企業人として働く場合、それは指導者足りえるでしょうか?
おそらく答えは「アカギは企業で働かない」というもののような気がしますが、
指導者となるとまたちょっと趣が異なってくると思います。
あ、銀二なら指導者として優秀だと思います。広い視野を持っていますし。
だから誠京の会長である蔵前は欲しがったんでしょう。

つまり、「企業」と「頭脳戦」では求められるものが違っていると私は感じています。
「ギフテッド」は当初から「企業の試験」と言っています。
本の中で「現実の企業における論理」を語っている以上、
「ギャンブルやゲームでの一発逆転によるカタルシス」と比較し、
中高生がメインターゲットであるライトノベルにおいて、何を優先し、どのような結論を出すべきか。
現実において一発逆転で物事が解決することが少なく、
「地道な努力と今できる最善の手を打ち続けることこそが、物事解決の近道」
とかつての自分に言ってやりたい思いがある私にとって、悩ましい問題なのは確かです。
どの辺りまでエンターテイメント性を絡ませるか。それは今でも私の中で大きな課題です。

また「ギフテッド」が「企業の試験」である性質上、「裏切り者が出ない可能性が高い」と見抜き、
上記の「クローズトサークル」などとは違う話だ、と気がついた方もいると思います。
またその後、副教官から
「会社は皆さんの行動をよく見ておりますので、ご安心ください」
と言われたことで裏切り者が出ないことは確定的になったと感じられた人もいるでしょう。

元々「受かる人数について指定がない」試験で他人を蹴落とす必然性は低いです。
候補者が減っても、合格者となれる可能性は上がりませんから。
さらに「命を賭けた試験を合格してここまで来ている」以上、迂闊な行動はしにくいと思います。
加えて「会社はよく見ているよ」とまで言われると、
「仲間となった振りをして裏切る」よりも「仲間となった振りをしてうまく使う」方が
ずっとメリットが高いように私は思います。

皆さんが人事担当であれば「自分の利益を考えて人を裏切る人間」の評価は、どうしますか?
もし能力があっても「そんな奴は信用ならん!」として切って捨てる人も多いでしょう。
そのため「クローズトサークル」や「サバイバルゲーム」などでは非常に有効な裏切りも、
「企業の試験」であれば、非常にリスクが高いものになると思います。

もう一つ例を挙げましょう。
例えば部活で言えば「大会には何人でも出られるがコーチが認めてくれるかわからない」状況であった場合、
「命を賭けた試験」を超えてきた自負がある人たちは、
「まずは自分の能力を見せよう」と考える傾向が強いのではないでしょうか。
自分に自信があるでしょうし、自分が姑息な手を使った時点で、見破られた場合、墓穴を掘ってしまいます。
加えてコーチから「行動をよく見ていますよ」と言われれば、より姑息な手は使いにくいです。

だからこそ心理戦もので恒例であり、一種の見せ場である「裏切り」は、
2巻で出てきた「メリットとデメリット」を考えるとデメリットが非常に大きく、
「裏切り」は入れたかったものの「入れた方が不自然」であると考え、話に入れませんでした。

また「集団から一人離れる」こともデメリットが大きいです。
評価する側に「自分とは仕事がしにくい」と思われた場合、
どれだけ能力を見せても逆転は難しくなるためです。
完全に一人で行動し始めたのが伊勢七彦しかいなかったのは、
こういった点を候補生がたち考慮し、迂闊な行動を避けた結果でもあります。

無論、七彦は瞬時に全体像を見抜き、抜けても大丈夫と判断しています。
この点が候補生の中で、七彦がもっとも「思考の瞬発力」と「行動力」に
優れていることを示す点であると考えています。

こういった何気ない点の積み重ねが、現実世界では大きな差となって現れると私は思っています。
例えば「一日に一回、瞬時に教科書を十ページ覚えられる力」よりも
「毎日二時間勉強できる力」の方が最終的に学力は上になるのではないでしょうか。
これは場合によっては違いますが、「一日に一回、瞬時に教科書を十ページ覚えられる力」は
能力に溺れてしまう可能性が高く、記憶が継続する努力を怠りがちになりやすいと思われるため、
ずっと努力をしている人には最終的に負けてしまう可能性が高いように感じます。
まあ、うさぎと亀のお話ですね。

あ、これは一面的な話なので、やり方次第で
「一日に一回、瞬時に教科書を十ページ覚えられる力」が圧勝だと思っています。
しかし「才能をうまく活用すること」が人間にはなかなかできません。
その難しさを「ギフテッド」の登場キャラクターたちが認識しているからこそ、
頭がいい人間よりも、現実を認識し、常に最善の手を打とうと冷静に考える弥助のようなキャラが評価され、
活躍できるのではないかと考えています。
またその地道な積み重ねを行う性格ゆえ、企業人としての評価もあるのではないかと思います。
逆に言えば、弥助が評価されるためには「いつも冷静に最善手を打とうとする人間の怖さ」を
認識していなければならず、高校で弥助の評価が低いのもそのことが一因だと考えています。
(私の中では単純な能力だけで言えば、弥助は一宮さん、枇杷島さん、加茂さんよりも低いですが、
精神面を入れた総合力では、冷静な判断ができる分だけ弥助が上と考えています)

書いてて思いましたが、こういうのって伝えにくいですよね、ホント。
私にもっと文章力があればうまくお伝えできると思うのですが・・・・・・頑張って鍛えていきます!



思いつくまま書いてきましたが、長くなってしまったので一度切ります。
まだネタはあるので、また続きを書こうかなと思います。

それではこんな長い駄文を読んでくれた方、ありがとうございました。

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  1. 2012/05/12(土) 21:48:41|
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ギフテッドの2巻を読了

電撃文庫から発売されたギフテッドの2巻を読み終えました。 ギフテッドとは、人よりも感受性の高い人間で、同じ物事を経験しても人よりも多くの物を感じ取れてしまう能力……と
  1. 2012/05/13(日) 19:24:57 |
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